The King's Museum

ソフトウェアエンジニアのブログ。

『デジタル・ミニマリスト』を読んで

『デジタル・ミニマリスト』を読みました。今年最後の読書。

『デジタル・ミニマリスト』は『DEEP WORK - 大事なことに集中する』などの著者、カル・ニューポートの本。 人々の生活に入り込み、多くの時間を支配するようになった SNS などのオンラインコンテンツについて警笛を鳴らしている。 人々の注意を引き、それを広告主売ることで利益を得る行為を「アテンション・エコノミー」と呼び、それと決別する実践的な方法を述べている。

筆者はアテンションエコノミーと決別するために、一ヶ月の「デジタル片付け」を行うことを推奨する。 そして、そのあと、本当に必要なデジタルツールやサービスを、それらに支配されることなくうまく利用するべきだと説く。 数日間デジタルツールから離れる程度では意味がなく、「デジタルツールとの根本的な関わり方を変える必要がある」と述べる。

ただ、決してデジタルツールを使うなということではなく「デジタルツールに生活を支配されることから逃れ、それらを能動的に使うことで幸せになれる」という姿勢だ。 すなわち、意図をもって必要最小限のデジタルツールを使う『デジタル・ミニマリスト』になることで、より充実した人生が過ごせるはずだと述べる。

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去年、発売した時に読み始めたけど途中で辞めてしまった本。 筆者の著作である『DEEP WORK - 大事なことに集中する』は読んだことあって、考え方がけっこう好きなのでメルマガもフォローしていた。 数年前、この本を書くきっかけになる「デジタル・片づけ」をメルマガで募集していて、興味があったけど結局参加しなかった。 その後、この本が出たので読みたいと思っていた。

前々から少しずつ SNS は絶つようにしていて、最後に残っていたのはツイッターだった。 フォロー数も多くなくて、それほど多くの時間を使っている感覚はなかったけど、なんとなく頻繁にチェックしてしまう習慣は残っていた。 フォローしている人の近況を知るのはまぁいいとして、トレンドを見たりすると炎上しているニュースなどを目にしてしまい時間が奪われている感じはあった。 それにもやもやした気分になったりすることもあったので、時間だけでなく全体として自分のリソースを奪われていたと思う。

「デジタル・片づけ」を始めた当初は無意識にツイッターを開いてリロードをしてしまったりしていたけど(ちなみにこの行為をスロットを回すのと同じらしい)、1週間くらいたつとそれもなくなってほぼ気にならなくなった。 その後、夜に一度だけチェックするようになったがそれ以上にはなってないかな。 フォロー数も多くないから夜に一度チェックすれば数分でその日のツイートを見られるしね。

ただ、まぁそうして余った時間で何をするかっていうのは結構悩んでいる。 自分は基本的にあまり趣味と呼べるものを持っていない。 著者はなるべく手を動かす趣味を見つけろ、みたいなこと書いてたけど、わざわざそういう趣味を新たに見つけようという気も起きないし。 SNS は確かに注意を奪っているのでそれは納得なんだけど、その時間の使い方にあまり説得力はなかったかな。 地域社会に貢献しようとか、より素朴でリアルなゲーム(ボードゲームとか)がいいってのはあまり納得できなかった。

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年初に毎月一冊本を読んで感想をブログに書くという目標をかかげたけど、一応達成できたな。 来年もこの習慣は続けていきたい。

今年のブログはこれで最後かな。 良いお年を。

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