The King's Museum

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『三体Ⅱ 黒暗森林』を読んで

『三体Ⅱ 黒暗森林』を読みました。

去年、三体Ⅰを読んでおもしろかったので、二作目も買ってはいたけどその分厚さにびびって積んでた。 でも、どうやら Netflix で三体のドラマをやるらしく読んでおきたいなと思ったので読み始めた。

あらすじはいろんなところで読めるからそちらに譲るとして、感想を書きとめておく(ネタバレあります)

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三体、どうやら二作目が一番評価が高いらしい。 たしかにおもしろくて、それなりに量はあったけどどんどん読み進められた。 前回の三体世界という設定に引き続いて、出てくる設定がとてもよくできていて感心した。 タイトルにもある「黒暗森林」がどういうものか、ずっと気になりながら読み進めていってが、その謎が明かされた時の納得感はとてもよい。 宇宙の文明モデルが息を潜めた狩人たちのいる暗黒の森林だったとは。

最後の三体艦隊との場面は描写がとてもうまくて、読んでいて脳内にイメージが鮮やかに浮かんできて映画のクライマックスを見ているようだった。 ただ、その前の最後の作戦の説明とかはけっこうあっさりしてると思った。 三体世界は、智子とか水滴だったり、人類とは別格の科学力を持っているのに羅輯の戦略に気づけずなのはちょっと納得感がない。 思考を隠すという能力がない三体人の敗北ということかなのかな。 人類の計画を破るために人間の破壁人をたててたから、三体人自体が彼の戦略を見破るのはやっぱり難しかったのか。

そういえば、他の恒星に逃れていった人類たちの伏線は回収されていないような気がする。 四人の面壁者の作戦のうち、精神印章だけはオチがついてない気がしたけど、ここらへんが三体Ⅲにつながるのだろうか。 三体世界とはある意味決着がついたように見えるから、どういう展開になるのかは気になる。三体Ⅲも今年中くらいには読み終えたいな。

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最初の方にあった羅輯の考えた脳内の恋人とほぼ同じ人を見つけてきて結婚して子供ができてってくだりがだいぶ長くて、著者はあの部分にどういう意図を込めていたかは気になる。 前半はそこがちょっと退屈ではあった。三体の最初の文革のところみたいな感じで世界観を強く印象づける意図があったのだろうか。

前作の方が世界観とかは好きだったかもしれない。 今回は完全に未来世界の SF でとてもエンターテイメントって感じだけど、前作の方が謎が明らかになっていくミステリーの感覚がよかった。 前作の設定とか一部忘れてたから読む前にあらすじ復習しておけばよかった。 三体世界の観測員とか完全に忘れてたけど、読み終える前に Youtube のあらすじ動画見直しておいてよかったw

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あと、今回は要所で登場人物のフリガナが振ってあったのがめちゃくちゃ助かった。 とりあえずネットフリックスの三体楽しみだなー。わくわく。

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よくよく考えたら自分は小説は SF しか読んでないな。

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