『内向型を強みにする』を読んで
会社の元同僚がおすすめしていた『内向型を強みにする』という本を読んだ(Kindle セールで 300 円くらいだったし)
- 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
- 発売日: 2013/06/16
- メディア: Kindle版
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内容
この本では人間の性質を「内向型」と「外向型」に分けて論じ、内向型の人々がよりよい生活を送るためのアドバイスが書かれている。
世間では「外向型」の特徴を持つ人間を高く評価し、すべての人間がそのようにあるべきであるとされている(特にアメリカはこの傾向が強い)。 そのため、「内向型」の人間は自己を否定することが多く、無理をして日常生活を送っていることが多いという。
内向型・外向型を「社交的か」という観点で分けるのではなく「エネルギー補給の仕方」で分けている。 外向型が人との対話や野外でのアクティビティを通してエネルギーを補給するのに対し、内向型は自らを省みる一人での内省によってエネルギーを補給する。 休日に外で活発に遊び回って休息をとる人と、家でゆっくりすごして休息をとる人がいるという事実はこの性質の違いに由来している。
これらの性質を論じた後、内向型の必要性を主張し、その素晴らしい特性について語っている。 その上で、内向型がその特性を活かし、輝く人生を生きるための方法が書かれている。
感想
自分はもともと内向型だと思っていて、本書の診断テストでも間違いなく内向型という診断だった。 過去、内向型であることを駄目だと思ったことはそこまで多くなく、日本は比較的内向型に許容的な国なのかも?と思った。
「内向型」・「外向型」の性質の違いは興味深かった。 例えば、内向型と外向型では外界からの刺激に対する脳内の神経パルスが通る経路が違う。 内向型の経路では前頭葉をたどるため、刺激に対する印象や記憶を強く持つことになる。 一方、外向型では前頭葉を経由しないので刺激に対する印象や記憶をあまり持たない。 そのため、内向型は過去を強く意識し内省する事が多く、外向型は更なる刺激を求めて外界に向かう、という理屈だ。
気になったのが「内向型は素晴らしい。あなたはそのままでいい。あなたは世界に一人の素晴らしい存在なのだから!」という擁護主張があまりに多すぎる点。 「どこから読んでもよい」という構成上の理由と、「普段虐げられている内向型に勇気を与える」という理由でわざとくどく書いてあるのだろうが。
あと、「人の体質は変えることができないので、諦めて受け入れよう」という主張が少し強すぎじゃないかと思った。 自分は昔、疲れやすいほうで休日1日でかけたらもうクタクタというタイプだったけれど、最近はそんなこともないので人間は変われるよねと思うところもある。 そこまで強く人は変われないと主張しなくてもいいのでは?と思ってしまった。